永遠の0(ゼロ)

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数学者の話でもなければ、科学者・哲学者の話でもない。
大日本帝国海軍の零式艦上戦闘機(いわゆる零戦)のパイロットのお話。

「生きて妻のもとへ帰る」
日本軍敗色濃厚な中、生への執着を臆面もなく口にし、仲間から「卑怯者」とさげすまれたゼロ戦パイロットがいた……。(Amazonの内容紹介より)

筆者は人気番組「探偵ナイトスクープ」等多数の番組を手掛けた放送作家でもあり、話のまとめ方がさすがに上手いなと思った。

自分も含めて、戦争を知らない人たちに読んでもらいたいと思った一冊。
教科書だけでは分からない、現代では考えられないような想像を絶する真実がそこにある。



・飛行機や武器・燃料よりも軽く扱われ、使い捨てられた兵士の命。
・桜花(人間爆弾)、回天(人間魚雷)といった、本当に人間がこんな恐怖の兵器を造ったのかと疑いたくなるけど、実際にあった事実。
そして、桜花はアメリカでは「BAKA(馬鹿) BOMB」と言われているという悲しい事実。
・神風特攻隊に代表される特攻隊は、果たして「お国のために」と想う若者たちの志願によるものだったのか?
上官たちの「志願する者は一歩前へ」、踏み出さないと、怒鳴り散らす「一歩前へ!!!!!」という半ば強制的な言動。

今まで知らなかった事が、どんどん吸収される。

・雷装・爆装で迷走したミッドウェー海戦の南雲長官
・ガダルカナルで無謀な作戦を実行した辻参謀
・愚かなインパール作戦の牟田口中将
・レイテ沖海戦の栗田長官謎の反転
・玉音放送後の宇垣中将の11機引き連れた(道連れ?)特攻

…本当にがっかりデス。そして誰も責任を取らない将官クラス。

ミッドウェー海戦の図上演習では、サイコロを振って、シミュレーション。
敵の攻撃で「6」が出たら、敵のパイロットの命中率は日本軍の1/3だから今のは「2」にしよう。
その結果、「わーい我が軍の勝利だー」と浮かれる大本営。
(そんなシミュレーション勝つのは当たり前ですな)
結果的にはアメリカ軍を見くびって、暗号は解読されるし、空母4隻も失うという戦局に多大な影響を与えた大敗北。
全くもって現場の戦況・実情無視なんだよね。


仕事で予算編成とかやってるけど、どんなに事業環境・競合他社を分析し、何枚もの資料を残業して作成したところで、結局は大本営の数字遊びで予算が組まれたり…
確かに、担当者レベルでは、多少のバッファを持っているだろうから、それをケツを叩きつつ、事業部としての目指すべき目標・姿を設定して、大本営に説明するわけだけど、それを遥かに超えた原爆級のノルマがズドンと降ってくる。
ある部門の部長曰く、「棒高跳びで、棒ナシで飛べと言われているようなもんだ」と。
トップセールスをやる前は、意気込んでいた中将クラスも、いざトップセールスが上手くいかなくなると、その事には一切触れなかったり…
んで、ノルマいっぱいの予算が固まり予算遂行会議の場になると、「自分たちでやると言った予算がなぜできないんだっ!」と怒られたり。「なんで、こんな無理な予算組んだんだ?」と責められたり。
…いや、別に組みたくて組んだわけじゃないんだが。とは、誰も言えず。

うーん、なんだか戦時の大本営とダブって見えてしまいマス。
まー、業績が厳しいから責められるのは仕方ないとは思うけどね。でもねぇ。
おっと、かなり脱線しちまった、スマソ。


数々のカスタマーレビューで、「大感動、涙なしでは読めません」的なレビューを目にしたが、正直そこまで感動して涙するという事は、俺はなかったかな。
それよりも、知らなかった太平洋戦争のことが(まだまだ触り程度にすぎないとは思うが)大いに吸収できたことに充実感あり。知識が広がって、戦争について考えることができたことが非常に有意義な時間だったと思う。
本当に読んで良かった。

戦場で戦った兵士のほとんどが今の自分より若い年齢だったと思うと、なんだか心が痛むし、今の時代で良かったなとつくづく思う。俺なんかぬるいよね。
もうこの世にはいないけど、自分の祖父は、ラバウルとか南太平洋の島々で戦ってきたのだろうか?とふと思ったり。
色々と考えさせてくれる一冊デス。

ゲゲゲの水木しげる先生の「ラバウル戦記」「総員、玉砕せよ」とかも読んでみようかな。

下記Wikipediaより。
=====
片腕を失ったことに対して水木は、「私は片腕がなくても他人の3倍は仕事をしてきた。もし両腕があったら、他人の6倍は働けただろう」と語り、「左腕を失ったことを悲しいと思ったことはありますか」という問いには「思ったことはない。命を失うより片腕をなくしても生きている方が価値がある」と答えている。
=====
この前向きな姿勢を見習わんとだいね。

なんだか、話があちこち飛んじゃったが、まー、要は戦争はいかんし、「永遠の0」は読んで良かったと。それだけデス。

PS.
妻の両親が見ている「ゲゲゲの女房」のオープニングを見て、姪が最近オバケ(妖怪)に興味があるんだとか。今度オバケお絵描き大会せねば。
by LEGO-Yokohama | 2010-09-30 23:42 | いいモノ | Comments(0)

横浜を中心に「いい店」、「いい風景」をご紹介! その他、徒然なるまま感性の赴くままに日々の出来事を綴るブログ。 最近はランニングネタもちょいちょい。


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