Ichiro’s Malt 埼玉・秩父発のピュアモルトウイスキー
2010年 12月 30日
なので、このウイスキーは否応がな愛着が沸いてしまうのデス。
肥土伊知郎(あくと いちろう)氏が手掛ける埼玉・秩父が誇るウイスキー。
東農大で醸造学を学び、サントリーでの営業10年を経て、祖父が設立し父が継いでいた会社・東亜酒造で家業を手伝い、その後会社売却により原酒廃棄の危機に瀕しながらも、福島の笹の川酒造の手を借り、熟成樽の保管に成功、新会社設立に至り、故郷・秩父にて蒸留所の操業を開始と…波乱万丈・紆余曲折を経てきた肥土氏。
今や、世界のウィスキー嗜好者のバイブルとも呼ばれる英国発行の『Whisky Magazine』で、『驚きのジャパニーズ・ウィスキー』として特集を組まれ、同誌内で金賞・銀賞の栄誉を総なめに。
国内でもIchiro's Maltは大人気を博し、多くのバーテンダーが出荷量が少ないこのモルトを何とか自分の店に入荷しようと尽力しているほどとのこと。
Ichiro’s Maltのラベルにはドングリが…
「ドングリは、いずれはオーク(楢や樫の木)になる。ウチはまだドングリですが、いずれ大きく育ってほしいという願いを込めてつくりました。これを見るたびに初心に戻れるように(肥土氏)」
なんだか泣けてきます。
ぶっちゃけ知らない人の方が多いと思われるコチラのウイスキーメーカー。
小さい会社かもしれないけど、夢は大きいのデス。
のぼってゆく坂の上の青い天に、もし一朶の白い雲が輝いているとすれば、 それのみをみつめて坂をのぼってゆくであろう。
そんな「坂の上の雲」的な情景が浮かんできます。
なんかこうやって独立して、自己に確固たる自信と基準を持って、真摯にまっすぐ仕事に向き合っている人を見ると、本当に心から尊敬します。
自分は何をやってるんだろか?と思うワケです。
所詮、大きな組織の歯車に過ぎないしと。
そして、大きな組織に守られて、甘えているに過ぎないのではないかと。リスクを回避しているだけではないかと。
いや、でも、歯車なりに自分の業務には責任を持って、すごく小さいながらも事業に貢献しているという自負はあるんだけどね。頑張っているつもりではあるんだけどね。
でも、やっぱり独立している人とは背負っている責任の大きさが違いすぎるわけで。
なんだか考えさせられるんだよねぇ。
さて、コチラのIchiro’s Malt MWR
MWRとは、ミズナラ+ウッド+リザーブの意。
ピート香強く、特有のスイートさとフルーティーさも併せ持つ。
奥深い複雑な味わいのピート感が口の中に広がる本格派。
アイラほどのパンチはないけれど、日本仕様の優しい味わい。
このくらいが丁度いいかと。
ラベルのデザインには、ジャパニーズオーク「ミズナラ」の木の「葉」が。
来年2011年には、悲願の秩父蒸留所発シングルモルトがお目見えとのこと。
ウイスキーみたいにリードタイムがもの凄くかかるプロダクトは、本当に大変だと思う。
その分、感慨深いものがあるのでは…と思うわけで。
これから10年後20年後が楽しみだ。
アイラ島まで行って蒸留所を巡った、俺の周りで一番ウイスキーに詳しい高山夫妻。
それから、秩父出身のケンちゃん。
君たちには是非飲んでもらいたいIchiro’s Maltデス。