風が強く吹いている
2011年 05月 29日
(まー、布石打っておいたので、やっぱりと思った人もいる?)
一言で言えば、スポ根小説。
ただし、読んでいてワクワクし、心の底からやる気と希望を漲らせてくれる爽快感溢れる青春小説デス。
下記、Amazonの説明より
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箱根の山は蜃気楼ではない。襷をつないで上っていける、俺たちなら。才能に恵まれ、走ることを愛しながら走ることから見放されかけていた清瀬灰二と蔵原走。奇跡のような出会いから、二人は無謀にも陸上とかけ離れていた者と箱根駅伝に挑む。たった十人で。それぞれの「頂点」をめざして…。長距離を走る(=生きる)ために必要な真の「強さ」を謳いあげた書下ろし1200枚!超ストレートな青春小説。最強の直木賞受賞第一作。
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現実離れしすぎでファンタジーだとの意見もありながら、書評は概ね「良い」。
しかも、書評の数自体が多い。
箱根駅伝経験者もそうでない素人も、みんな「良かった、泣けた」とのコメント。
構想・執筆に6年をかけたという青春小説。
どのシーンも頭の中で情景が浮かんでしまう、筆者のその筆力には恐れ入る。
比喩表現や全体の文章の流れが、女性らしいというか、柔らかくて優しくて綺麗。
それが、物足りないということはなく、非常に心地イイんデス。
ジワっと涙を誘うところもあったり、読み始めると、もう没頭しまくり。
通勤途中の電車内で読んでいて、「えー、もう駅着いちゃったの?まだ読みたいんだけどな…」と何度思ったことか。
この本のお陰で、箱根駅伝のシステムについてもだいぶ学ぶことができたし、来年の箱根駅伝はTVに釘付けになりそう。
最近は、自己の趣味の一つとしてランニングが根付いている。
「週末は、よく走っています」と言うと、「ただ走っていて何が楽しいの?何考えて走るん?」と質問されることも多い。
俺も、昔はそう思っていた。
まー、色々考えながら走っているわけで。
例えば、仕事やプライベートでの嫌だった事や、嬉しかった事を考えていたり、花が咲いたな、海が今日は綺麗だな、風が気持ちいいなとか自然の変化を感じ取ったり。
無心になっている時も多いけどね。
何を想って走るのか?
包丁を研いで、キレ味をよくする。
俺にとってはそんな感じなのかも。
走って脂肪燃焼してカラダを絞るのと同時に、自己と向き合い、心の整理もされているような気がするんだよね。
この本には、走るとはどういう事なのか、生きるとはどういう事なのかが、綴られている。
「速く」ではなく「強く」
本当に素晴らしい小説だった。
ランニング・ジョギングしている人には、特にオススメ。
DVDも借りて見たけど、本の方が断然良いっ!!