80kmを超え、ワッカ原生花園に入る。今年のサロマは久しぶりの晴れ。
オホーツク海が青くて美しい。
手付かずの自然が本当に美しい。
この景色を眺めながら、娘を連れて”のほほん”と散歩をしたい、なんて思う訳だが、今年の俺には時間がない。なんせハードルを上げたA目標(サブ11)をガチで狙いにいっているのだ。
そして、そのA目標達成計画に対して、80km通過時点で僅か5秒しか貯金がないのだ。
(正確には、A目標自体に2分のバッファを持たせていたので、2分5秒という事になる)
(ワッカを走った事がある人は共感してくれるはずだが)ワッカは小さなアップダウンが小刻みにあり、それが地味に体力を奪う。
●90km:通過時刻14:47:03(+0:57) ペース6:54/km
80-90kmの平均ペースは6:54/km
A目標達成のための計画値は7:00/kmなので、順調に走れている。
ここにきての貯金追加(5秒→57秒)は大きい。
残り10km
ここまで来れば、最後は気合い。メンタルの世界だ。
村上春樹の「走ることについて語るときに僕の語ること」に出てくるこの言葉を唱えながら走る。
『Pain is inevitable, Suffering is optional.』
痛みは避けがたいが、苦しみはオプショナル。
つまり、苦しいと思うかどうかは自分次第。
ワッカを折り返してから、必要以上にエイドには寄らず、一定のペースで刻み続ける。
「のこり4km」表示の赤看板を見て、A目標達成がほぼほぼ見えたが、過信は禁物。
この先、脚が攣るかもしれないし、という事で最後のエイドにも寄らずにゴールを目指す。
そして、「のこり1km」のあの赤看板を見て、A目標達成を確信。
今日を振り返りながら、ゆっくりと噛み締めて、いや、足を地に踏み締めて(一歩一歩に力を込めて)進む。
ゴールに近づく程に増えていく沿道の応援も毎年ありがたい。
「やっと来た、ここまで来た」という思いに、沿道の「よく頑張った!!」という応援が重なり、オジサン泣きそうーー。
このヴィクトリーロードは何度走っても最高だ。アツいぜ。
なんつーか「俺、生きてる!!」って心の底から思える瞬間なんだよね。
チコちゃんに「ボーっと生きてんじゃねーぞ」なんて絶対に言われない。言わせない。
ボーっとなんかしていないし、考えて、考えて、自問自答し、ゴールを目指してきた。
そして、遂に感動のゴール!!
●Finish:通過時刻15:56:42(+1:18) ペース6:57/km
やったぜ、A目標のサブ11達成。10時間台でのゴール。
これでフィニッシャーズTシャツに念願の”10”が刻まれる。
正直なところ、走る前はこう思っていた。
A目標はかなり高望みであり、無理だろうと。
その分、そのA目標が達成できた今年のサロマというのは、達成感がハンパない。
(自分で言うのもなんだが)1月からの地道な努力が実った証と言ってもよいのではないかな、と。
今年のサロマ、やり抜いた、GRITしたぜ。
そして、やり抜くことができたのは周囲の応援、サポートのおかげ。
サロマを走る度に痛感する。
走っている最中も、小学校時代からの友人、職場の上司、そして家族が、(俺のタイムを見ながら)応援メッセージを何通もくれた。
現地では、沿道から沢山の応援をもらった。
エイドの地元中高生の懸命に働く姿には心が洗われたし、真っ直ぐな眼差しで叫ぶ「がんばってくださーい!!」は、忘れていた何かを取り戻したような気もした。
みんなに本当に励まされた。ありがとうございます。
サロマを走る人も走らない人も、その日、みんなと一つになれる、一体感を醸成できる。
それがサロマのイイ所だなと思う。
そんな想いがたくさん詰まったレースだから、サロマのゴールは他とは違う。
自然と目頭が熱くなるし、魂が揺さぶられる。
(このくだり、7/6のFMヨコハマ Route847で紹介して頂きました)
サロマは俺にとって特別な場所。
サロマは過酷だが、やっぱり面白い。
今年の完走で6回目の完走。
念願のサロマンブルーまであと4回。
来年は7回目のチャレンジ。
サロマンブルー目指して、今後も頑張ります!!!